白井市には緑地が多く残っていますが、子ども達が自然体験をする機会は年々少なくなってしまいました。
まどか幼稚園では自然の魅力や季節の移ろいを感じる体験を大切にしていますが、園の外でも、卒園してからも、子ども達が地域の自然の中で様々な体験をしながら豊かな感性や情緒を育くんでいけるようにと願っています。
小さな一歩ではありますが、2018年10月より白井市と協働で地域の自然体験の場づくりをはじめました。
西白井駅から徒歩3分ほどの調整池横にある「けやき台多目的広場」で、地域の生きものを観察できる池や田んぼなどを、イベントを通して地域の皆さんと一緒に作り、活動しています。地域の生きものを育み、体験の機会を作り、自然に触れた思い出の場を増やすことができるように努めますので、ご理解ご協力をいただければ幸いです。
2023年度も白井市とまどか幼稚園の共催イベントとして、以下の通り田んぼビオトープや季節の自然に親しむ活動をおこないます。
白井にゆかりのある方はどなたでもご参加いただけますので、ぜひご検討ください♪
各活動の詳細やお申込みについては、以下のリンク先からご覧いただけます。
第1回 春の自然観察と田んぼ・苗の準備
実施日:5月14日(日)10:00~12:00
予備日:5月21日(日)10:00~12:00
内容 :田んぼの土作り 自然観察 草花あそび
詳細・申込み:https://forms.gle/XPFYqasNG8nAe2xJ9
第2回 初夏の自然観察と田植え
実施日:6月10日(土)10:00~12:00
予備日:6月11日(日)10:00~12:00
内容 :田植え 生きものしらべ カメラ教室
詳細・申込み:https://forms.gle/ogTMUp6RG4zuJmP3A
第3回 秋の自然観察と稲刈り
実施日:9月30日(土)10:00~12:00
予備日:10月1日(日)10:00~12:00
内容 :稲刈りとはさがけ 木の実・木の枝・木の葉のクラフト
詳細・申込み:https://forms.gle/sTJrNiKCn8B8v5R28
第4回 冬の自然観察としめ縄作り
実施日:12月2日(土)13:30~15:30
予備日:12月9日(土)13:30~15:30
内容 :しめ縄のお正月飾り作り わら細工
詳細・申込み:https://forms.gle/9ciC769SmGPn9Sox8
番外編 西白井のナイトツアー
実施日:9月(日程未定)18:30~20:00
内容 :夜の田んぼ探検 ライトトラップ 夏と秋のいきもの観察
詳細・申込み:https://forms.gle/VpvxR3aTqXEVye6v6
10月3日、けやき台多目的広場でビオトープのお手入れと田んぼの稲刈りをおこないました。
当日は暑さを感じる程まぶしい秋晴れ。
新型コロナウィルスの影響で12月まで白井市共催イベントの実施は難しく、直前まで活動内容について検討したためお知らせが遅くなってしまいましたが、何組ものご家族が駆けつけてくださいました。
はじめに稲架作り。竹を地面に打ち込み、組んで、長い竹を渡します。
稲架の準備が出来たら、稲刈り。
鎌で1株ずつ丁寧に刈り取り、稲わらで結わい、稲架にかけていきます。
鎌の使い方はコツがありますが、何度も続けて挑戦すると段々と慣れ、太い株も一度で刈り取れるようになりました。
田んぼの生きもの達は慌てて逃げます。
ヤゴやゲンゴロウ、カエルなどたくさん出会いました。
稲わらを使い、自分で工夫しながらリースを作る姿も。
稲刈りを終えたら、次はビオトープのお手入れ。
池の周りに増えてきた植物「チガヤ」は、生長して繁茂すると尖った根で池のシートを破ってしまう可能性があります。
困ったことになる前に、根を掘り返して繁茂を防ぎ、他の植物も生育できる環境を作ります。
池や広場の生きものを探して観察もおこないました。
短い時間でしたが、秋の自然に触れ、収穫を楽しんでいただけていれば嬉しく思います。
生きもの観察をサポートしてくださった三森さん、ビオトープのお手入れにご協力いただいた白井市環境課の皆様、そしてご参加いただいたご家族の皆様、誠にありがとうございました!
12月15日、けやき台多目的広場で「冬のしぜんとわらしごと」をおこないました。
5月に田植えをしてから10月に稲刈りを終え、12月は稲作の副産物である稲わらを使ったしめ縄作り。
そして静かに見える冬の広場で、ひっそり冬を越している生きもの達を探す自然観察。
予定していた12月8日は大雨の影響で広場一面に水が溜まり中止としましたが、15日には水溜りも少なくなり、過ごしやすい晴天の中実施することができました。
冬のわらしごととして、稲わらのお正月飾り作りを教えてくれるのは、白井市市民環境経済部長であり市内でお米作りをされる農家でもある、川上利一さん。
稲わらは事前にもろくなった枯れ葉を取り除き、木槌で叩いて繊維を柔らかくし、準備万端。
稲穂、松葉、姫柿、ツルウメモドキなど、しめ縄を飾る自然の素材も市役所の皆さんが持ってきてくださいました。
稲を手でしっかりつかんだら、縄ないをはじめます。
子ども達は2~3人で協力して作り、大人の方は1人で作る難しい方法にも挑戦。
輪にして結び、飾りつけをして、手作りのお正月飾りができあがりました♪
そして冬の自然観察。
生きもののことを教えてくれるのは、生きもの専門家であるBiotopGuildの三森典彰さんと、ビオトープ管理士の皆さんです。
広場を歩いてみると、調整池を利用する野鳥を発見。
カワセミやモズ、ツグミ、カワウ、コサギ、カモ類...様々な鳥が調整池や広場にやってきますが、この日は猛禽類も飛んで狩りをしたようで、出会いに恵まれました。
そして池の生きもの探し。
寒い冬は動かず潜んでいる生きものが多く、陸上での昆虫採集は困難ですが、水の中には生きものがたくさん隠れていました。
顕微鏡でよく観察し、生きものの特徴や暮らし方を学びます。
その他、幼稚園で作った米麹の甘酒で体を少しあたためてもらったり、市の取り組みの一環として植物の種を持ち帰っていただいたり。
今回も東邦大学の院生のお兄さん、そして近隣にお住まいの保護者の方がスタッフとしてたくさん力を貸してくださいました。
ご参加いただいたご家族の皆様、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!
衣食住を支える身近で大切な素材だった稲わらですが、今では農業に携わらなければ触れる機会は限られ、お正月飾りも購入することがほとんどかと思います。
稲を最後まで活かして、自分で作ったお正月飾りは、きっと良い年を迎え入れてくれるはずです。
生きもの達が無事に冬を越し、春のあたたかさを喜ぶ頃、また観察会をおこないたいと考えていますので、よろしければぜひお立ち寄りください♪
12月8日に予定していたけやき台多目的広場でのイベント「冬のしぜんとわらしごと」は、12月初旬の大雨により広場一面に水が溜まっているため、延期させていただくことになりました。
翌週12月15日(日)13:30~15:30に同様の活動を開催したいと考えています。
受付期間は終了していますが、ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお立ち寄りください。
ご質問やご相談などはイベントフォームまたはお電話(047-491-9881)にてご連絡ください。
秋の穏やかな陽気も束の間、冷えた空気に冬を感じる頃となりました。
季節と共に、広場で出会う生きものの顔ぶれや様子も変化しています。
春から夏にかけては開けた明るい水面が好きなシオカラトンボが多く飛んでいましたが、夏の終わりにはギンヤンマもよく訪れ、縄張りを張るようになりました。
大雨の後、水が溜まった広場にはコサギ。
湿原のような広場で、獲物になる小さい魚や水生昆虫を探しているようです。
稲刈り前の田んぼではメダカも育ちました。
秋になると、バッタやカナヘビとよく出会います。
ショウリョウバッタやショウリョウバッタモドキ、コバネイナゴ。
赤とんぼのノシメトンボや、アキアカネ。
秋が深まると、冬鳥のジョウビタキも北の国から日本に渡ってきました。
今急いで冬支度を進めていたり、もう冬ごもりをしていたり、冬を前に命を終えた生きものもいるでしょう。
冬の様子を楽しみながら、また広場が賑わいはじめる春を待ちわびたいと思います。
12月8日(日)、けやき台多目的広場で「冬のしぜんとわらしごと」をおこないます。
【冬のしぜんとわらしごと】
2019年12月8日(日)13:30~15:30
※予備日12月15日(日)13:30~15:30
この年を締めくくる12月、稲わらで手作りのしめ縄を用意して、ご家族と大切なお正月を迎えましょう。
広場の冬の自然も観察したいと思います。
白井にゆかりのある方でしたらどなたでもお申込みいただけますので、よろしければぜひご参加ください。
☆お申込みはイベントフォームをご覧いただき、必要事項をご記入ください。
☆イベントのチラシはこちら
☆お問い合わせや、イベントフォームでのお申込みが難しい方はお電話でご連絡ください。(047-491-9881)
10月5日、けやき台多目的広場で「稲刈りと秋のみのりの観察会」をおこないました。
5月に田植えをおこなってから、大雨による調整池の増水により広場の田んぼは度々冠水しましたが、近隣にお住まいの方からは稲を心配するあたたかい声が届いたり、環境課の皆さんが稲の補植や水量の調整を何度もおこなって下さったり、皆さんのお力に支えられ、稲はたくましく育ってくれました。
秋を楽しむ1日になるようにと考えていましたが、当日は気温30度。
夏のような暑さの中、たくさんのご家族にお集まりいただき、観察会のはじまりです。
まずはみんなで稲刈り。
お米づくりの講師として稲刈りを教えてくれるのは、白井市市民環境経済部長であり市内の農業に従事する農家でもある、川上利一さん。
鎌の使い方のお話を真剣に聞き、1人1~2束ずつ丁寧に刈り取ります。
刈り取った稲は、稲わらを使ってねじるように束ねます。
少し難しい工程ですが、子ども達も頑張って挑戦しました。
束ねたわらは、竹で組んだはさ(稲架)にかけます。
天日干しをして、稲を乾燥・追熟させるための、はさかけです。
稲刈りの後は、広場でそれぞれ好きな時間を過ごします。
子ども達やお父さんは、池や草地の生きもの観察へ。
生きものの講師は、ビオトープや生きものの専門家であるBiotopGuildの三森典彰さんです。
色んな種類のバッタを見比べたり、ショウリョウバッタに紛れているショウリョウバッタモドキを探したり、大人も子ども一緒になって熱中しました。
タープの下では、お米作りと食のお話。
お母さん達が集まり、川上さんからお話しいただきました。
東邦大学の学生の皆さんは植物の観察をサポートしてくださり、池周辺の植生調査もおこなっていただきました。
その他、秋の野草で花束を作ったり、栗のパウンドケーキを召し上がっていただいたり。
ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!
小さな小さな田んぼですが、この地域ではとても少なくなった稲架かけの風景が住宅地の中に生まれました。
田植えや稲刈りの体験が、少しでも食べものへの関心や理解、心の豊かさに繋がっていきますよう願っています。
10月5日(土)、けやき台多目的広場で「稲刈りと秋のみのりの観察会」をおこないます。
【稲刈りと秋のみのりの観察会】
2019年10月5日(土)13:30~15:00
※予備日10月14日(月)13:30~15:00
5月のイベントで田植えをおこなってから、数回の冠水により生長が遅れてしまいましたが、稲はたくましく穂を出し、花を咲かせてくれました。
様々な生きもの達も飛来して、池の中も田んぼの中も賑やかになっているようです。
当日は稲刈りといきもの観察をおこない、秋のみのりを楽しみたいと考えています。
このイベントは白井にゆかりのある方でしたらどなたでもお申込みいただけますので、よろしければぜひご参加ください。
☆詳細のご確認、
https://docs.google.com/forms/
☆イベントのチラシはこちら
☆お問い合わせや、イベントフォームでのお申込みが難しい方はお電話でご連絡ください。(047-491-9881)
池や田んぼの周りには、色々な種類の鳥類が訪れています。
春から特に何度も通ってくれているのが、ツバメ達。
多くの鳥は水を飲んだり、水浴びをしたり、獲物を捕ったりするために池や川、水溜りを使いますが、ツバメがしている仕事は少し違います。
ツバメは自分達の巣を作るために、水際の湿った泥や、枯れ草を取りに来ているのです。
けやき台多目的広場には一般的なツバメの他に、イワツバメも訪れていました。
ツバメと同じく春に日本にやってくる渡り鳥(夏鳥)で、ツバメよりも尾が短くモノトーンな色合い。
山地や海岸の崖、洞窟が好きで、住宅地ではコンクリートの建物などを巣作りの場所として利用しているようです。
田んぼの代掻きをした後も、たくさんのツバメ達が降りてきていました。
湿った泥を取ることができる場所は、昔よりもずっと少なっているのだろうと思います。
7月頃までは、新しい巣を作ったり、壊れた場所の補修をしたり、巣材を運ぶ様子が見られるはずです。
広場を通る時には、ツバメがいるかどうか、いつものツバメか少し違うイワツバメか、ぜひ覗いてみて下さい。
5月18日(土)、けやき台多目的広場で「田植えとのんびり自然体験」をおこないました。
子ども達は裸足になって、大人の方は長靴で、3月の活動で作った小さな田んぼの前へ。
稲の苗を持ち、柔らかい田んぼの土に足を踏み入れて、体のバランスを崩さないよう気を付けて歩きます。
稲の苗は白井市環境経済部長の川上さんが育ててくださったコシヒカリと、茨城県の農家さんからご提供いただいたあきだわら。
大切に真っ直ぐ植えました。
田植えが終わったら、どろんこのまま池の周りへ。
神崎川を守るしろい八幡溜の会の寺園さんにご協力いただき前日に採取した水辺の植物、イ・セリ・ミゾソバを池の水際に植えます。
しっかり根付くと、植物に卵を産む水生昆虫が池に来てくれるかもしれません。
手足を綺麗にして靴をはいたら、池や広場の生きものを観察したり。
家でも稲を育てられるようにバケツ稲の作り方を覚えたり。
旬のフキを食べたり下ごしらえをしたり。
午後も残ってくださった皆さんで池の看板作りをしたり。
今回は初めての方にもたくさんお越しいただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
活動を通して、広場を利用されたことのない方にもこの場所について知っていただき、身近な自然に親しみを持っていただければ、大変嬉しく思います。
次回は9月に稲刈りの活動を予定しています。
それまで田んぼの稲がなんとか健やかに育ってくれますように。
一緒に見守っていただければ幸いです。
春になり、初夏が訪れ、梅雨は間近。
生きもの達の様子が日毎に変わるこのきせつはとても賑やかで、たくさんの発見があります。
けやき台多目的広場の池では、5月にシオカラトンボのオスが縄張りを張り、メスが忙しく卵を産んでいました。
水の中には赤とんぼの仲間の小さなヤゴの姿が。
冬の間はヤゴを全く見つけることができませんでしたが、秋に産卵された赤とんぼの卵が静かに眠っていたようです。
田んぼにはコオイムシ。
メスがオスの背中に卵を産む習性があり、背負った卵から子どもが孵化するため、「子負虫(こおいむし)」と呼ばれています。
これからどんな生きものが来て、どんな池になっていくでしょう。
常連さんも新人さんも、生きもの達との出会いを楽しみに見守りたいと思います。
まどか幼稚園では2018年10月から白井市と協働で地域の自然体験の場づくりをはじめました。
場所は西白井駅近くのけやき台多目的広場。
樹木も遊具もない日当たりの良い原っぱで、ボール遊びやそりすべり、凧揚げなどを楽しむ姿を見かける場ですが、調整池としての機能を持つため、洪水時には降った雨水が一時的に溜まり、広場全体が水面になる時もあります。
雨の後にできた水溜りはまるで大きな池のようで、水生昆虫が飛来したり、様々な種類のトンボが産卵に訪れたりしていました。
ですが、どんなに卵を産んでも一時的な水溜り。
調整池に溜まっていた水が緩やかに神崎川に流れ、広場の水がひいて乾いてくれば、水生昆虫は別の場所へと旅立ちます。
産卵された卵の多くは乾燥して死んでしまっていたことでしょう。
ここに浅い池があったら、たくさんの生きものが訪れ、すみかとしても機能するのかもしれない。
誰でも立ち寄れる公共の場で、地域の子ども達が生きものを観察できるかもしれない。
広場に新たな生きもののすみかとしてビオトープを作り、子ども達の自然体験の場として活用したいという思いに白井市環境課の皆様が共感してくださり、けやき台での取り組みを進められることになりました。
植物と保全生態学を専門とされる西廣淳さん、ビオトープを専門とされる三森典彰さん、神崎川を守るしろい八幡溜の会の寺園さん、千葉県北部の森林・草原・湿地・河川・湖沼など身近な自然をフィールドとした研究をされている東邦大学保全生態学研究室の皆様にも、計画から活動の実施に至るまでたくさんのご協力をいただいています。
更に、広場は土壌の水分量が多いからか、地面のわずかな高低差により違った植物が生息し、全国的に減っている湿生植物とも出会うことができます。
身近な自然に触れる場になるように、調整池という治水を環境保全にも繋げられるように、まどか幼稚園としてできることを少しずつ、試みていきたいと考えています。
はじめての取り組みですので、色々と至らないこともあるかと思いますが、あたたかく見守っていただければ幸いです。
きせつに合わせて活動を企画していきますので、よろしければぜひお立ち寄りください。